2018年度日本経営品質賞受賞

2018年度日本経営品質賞受賞
2018年度日本経営品質賞マーク
日本経営品質賞とは顧客視点から経営全体を運営し自己革新を通じて新しい価値を創造し続けることのできる「卓越した経営のしくみ」を有する企業の表彰を目的とした賞です。

ご挨拶

ご挨拶

 私はトヨタで仕事をさせていただいて41年になります。 上司や先輩からたくさんのことを教えていただき感謝をしています。 その中で一番の教えは、「ユーザーや販売店の方にお役に立つ仕事ができているかどうか」をいつも問われたことです。 私がトヨタの国内営業部門の中で部長職になって1年後のある日、上司に突然呼ばれました。 「君が部長になって1年経つが、君が担当しているチャネルの販売店の方は皆さん思い通りのベースアップができたのですか?」と問われました。当時、私は当該チャネルの全国50社の収益構造改革の推進者の立場でした。私はその時、そこまでうまく答えられなかったことを覚えています。 販売店の社員の方が「トヨタに勤めていて本当によかった」と思える会社にしていくお手伝いをすること。これが私たちの仕事だと常に言われていたことを思い起こし、自問自答した次第です。

 また、役員を退任した先輩の方が、その後、経済団体の仕事や社会的な団体の仕事を引き受けられているのを見て、会社を卒業してからも社会のお役に立てることが大切だとも思ってきました。 会社はそれに関わるみんなが幸せになるためのしくみですので、毎日このための活動に取り組み、その中で日々喜びや成長があるわけです。そして、これを続けていってその先にあるものは何かと考えると、私は、この活動を通じて、社会のお役に立てる人材を輩出すること、このことが一番大切なのではと考えています。 これは、仮に数年の勤務であっても、長く勤めて下さった社員にとっても、そして社会にとっても素晴らしいことだと思うのです。

 もうひとつ、私が心掛けていることは、「後戻りしない進め方」です。 入社3年目から、財務の事務局として部品共販店の収益未確立店の改善を担当し、その後もトヨタの販売店の事業再構築や経営改革のお手伝いをさせていただいた経験から学んだことです。 また、トヨタ式の考え方の基本ですが、仕事はやり直しの無駄が一番大きいのです。 遠回りのように見えても、後戻りしない対策を着実に重ねていくことが、結果として、大きなスピードアップになることを実感してきました。 当社の経営改革では、「研修」「プロジェクト」「しくみ制度」の三本柱をセットで進めています。 この点も当社の取り組みの独自性ではないかと思っています。

 このような思いで250人の仲間たちと毎日取り組んでいますが、目標の実現までにはまだ相当の距離があると感じています。 ただ、この道のりは苦難ではなく、明るく楽しい道のりだとみんなが感じています。

 今回、日本経営品質賞をいただいたことは、進めていく力がついてきたという後押ししていただいたと理解しています。 ここまで導き教えていただいた方々に、心から感謝を申しあげます。 そしてこれから本番の旅に向かいたいと思います。

代表取締役社長 駒月 純

経営品質の歩み 動画紹介

「改革への取り組み」

 お客様や仲間のことを深く思い、どう行動すべきかを考えるには、高い感受性が必要です。そして、仕事や日々の行動に移していかなければなりません。そこで、(1)感受性を高める (2)ミッションを考える (3)ミッションに即した行動ができると段階的に進めました。また、対象を経営幹部からミドルマネージャーへ、そして担当へという順番で進めました。

改革への取り組み

「後戻りしないための3本柱」

 後戻りしないよう、「研修で学ぶ」「プロジェクトで訓練」「しくみ制度で定着させる」という3つの方策を同時に進めることにしました。
後戻りしないための3本柱

トヨタ式の「お役立ち活動」実践例

事例(1) 経営トップの価値転換「カーショップA店の事業再構築」
(カーショップA店のロープレ風景)
カーショップA店のロープレ風景

 2013年、カーショップ経営の代表者の方から駒月に、A店の事業再構築依頼がありました。A店は年商5億円、従業員20人、次世代の成長戦略を求めておられました。

 駒月はすぐにA店の責任者とスタッフ、当社の営業担当者でチームを作りました。まず、全国でカーショップ優秀店をベンチマーキングし、弱点や伸ばすべき点を整理しました。次にビジョンを策定し、中期的事業革新計画を作成しました。売り場の革新、来場誘致力向上のためのイベント企画の強化、事業所スタッフのチームワークを向上させる訓練など多面的な取り組みになりました。さらに、当社改善マンを加えてバックヤードの4S、荷捌き場・玄関前にあった喫煙所のレイアウト変更、大駐車場のレイアウト変更と路面の塗り直しカラー化など、事業所全体を改善していきました。その結果、1年で業績が好転しました。

 2016~17年は、差別化戦略の柱のひとつに短時間車検を掲げて取り組み、車検台数の倍増を実現しました。さらに業績は向上し、結果として、当社との取引量も増えました。

 先方の責任者からは当社に信頼を寄せていただけるようになり、取引量を増やすように心を配ってくださるようになりました。つまり、売り込みではなく、貢献することで取引量を増やす営業戦略の展開実例となりました。

 このような先行事例に学び、営業戦略が展開され始めました。特に売上の8割を占める販売店への販促策は、これまではリベートやインセンティブ旅行が中心でした。しかし最近はそれに加えて、売り方を分かりやすく整理したツールを作り、ツールを使いこなす研修を何度も実施するようになりました。

事例(2) ミドルマネージャーの価値転換「タイヤプロジェクト 新しいタイヤ販売のしくみづくり」
(タイヤ点検の様子)
タイヤ点検の様子

 2017年7月よりタイヤプロジェクトを始めました。メンバーはミドルマネージャー中心の3名です。まず調査から始めました。県内にある販売店店舗180店の中から、(1)販売量が多い、(2)タイヤ残溝の少ない顧客の管理をしている、(3)DM販促活動が優れている、という条件で3店舗を選びました。そして、タイヤ販売プロセスを整理しました。

 その結果、タイヤ販売量の多い店舗は少ない店舗と異なるやり方をしていることがわかりました。点検対象の全車両でタイヤの交換提案からフォローまでのプロセスが徹底されていたのです。このプロセスを「新タイヤ祭り」と名づけ、タイヤ販売のしくみとして販促提案のパッケージ化を行いました。

 2017年9月に県内販売店各社の営業幹部向けの施策説明会にてこのしくみを説明しました。そして10月より9店舗でトライアルを実施し、翌3月までに合計14店舗への導入が実現しました。結果は、導入全店舗で売上150%増になりました。

 この活動で得た最大の成果は、タイヤの需要規模の算定ができるようになったことです。これは、タイヤメーカーも予測できなかったことで、業界初の発見となりました。

 このような「調査→整理分析→仕組み・パッケージ化→トライアル→導入」という方法は、当社の企画開発プロセスとして新たに構築されたものです。新タイヤ祭りは、このサイクルをさらにもう一回転させ、2018年度には進化したしくみになっています。

事例(3) フロントラインの価値転換「販売店の現場を改善することがフィールドマンの営業」
(販売店 店舗での打合せ)
販売店 店舗での打合せ

 フィールドマンは、お取引先の店舗を回って棚の4Sや引当部品管理など改善指導をします。「お役立ち」活動へ営業戦略が転換したので、フィールドマンの役割も変わりました。ある販売店B店は社内でCS評価が最下位でした。そのため、改善チームを作って店舗改革を始めようと当社に相談があり、フィールドマンが出向して支援することになりました。

 フィールドマンは、1年間B店の業務に携わりながら店舗改革の改善チームのリーダーを務めました。部門横断チームを3つ作り、改善テーマをそれぞれ考え、取り組みました。その結果、B店は社内でCSナンバー1を取ることが出来ました。

 このフィールドマンは、続いてB店で3か月新車販売を経験しました。当初、車を販売すればいいと考えていましたが、優秀な営業スタッフとの同席商談や、数多くのエンドユーザーと接することにより、自分の考えが間違っていたことに気づきました。車を販売するのではなく、エンドユーザーの事を知り、その方の嬉しいであろうことを見つけることが大切だったのです。それを自分の業務に置き換えると、単に仕組みを導入する、棚やプロセスを改善すればいいのではなく、お取引先の店舗で働く人たちの心情をくみ取り、それに沿っていくことが重要だとわかりました。

 後日、C店から相談がありました。店長やサービスマネージャーの話を聞き、課題を一緒に考え、現場を見て、相手の心情をくみ取った親身な相談に乗りました。最初は小さな日常業務の改善から始めました。タイヤチェックの仕方などです。信頼を得て、販促策の新タイヤ祭りの導入を提案しました。これが成功し、そのフィールドマンはお取引先に感謝していただく経験が出来ました。お取引先に「頼られ」、それに応えたのです。

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