ご挨拶

 私はトヨタで仕事をさせていただいて41年になります。 上司や先輩からたくさんのことを教えていただき感謝をしています。 その中で一番の教えは、「ユーザーや販売店の方にお役に立つ仕事ができているかどうか」をいつも問われたことです。 私がトヨタの国内営業部門の中で部長職になって1年後のある日、上司に突然呼ばれました。 「君が部長になって1年経つが、君が担当しているチャネルの販売店の方は皆さん思い通りのベースアップができたのですか?」と問われました。当時、私は当該チャネルの全国50社の収益構造改革の推進者の立場でした。私はその時、そこまでうまく答えられなかったことを覚えています。 販売店の社員の方が「トヨタに勤めていて本当によかった」と思える会社にしていくお手伝いをすること。これが私たちの仕事だと常に言われていたことを思い起こし、自問自答した次第です。

 また、役員を退任した先輩の方が、その後、経済団体の仕事や社会的な団体の仕事を引き受けられているのを見て、会社を卒業してからも社会のお役に立てることが大切だとも思ってきました。 会社はそれに関わるみんなが幸せになるためのしくみですので、毎日このための活動に取り組み、その中で日々喜びや成長があるわけです。そして、これを続けていってその先にあるものは何かと考えると、私は、この活動を通じて、社会のお役に立てる人材を輩出すること、このことが一番大切なのではと考えています。 これは、仮に数年の勤務であっても、長く勤めて下さった社員にとっても、そして社会にとっても素晴らしいことだと思うのです。

 もうひとつ、私が心掛けていることは、「後戻りしない進め方」です。 入社3年目から、財務の事務局として部品共販店の収益未確立店の改善を担当し、その後もトヨタの販売店の事業再構築や経営改革のお手伝いをさせていただいた経験から学んだことです。 また、トヨタ式の考え方の基本ですが、仕事はやり直しの無駄が一番大きいのです。 遠回りのように見えても、後戻りしない対策を着実に重ねていくことが、結果として、大きなスピードアップになることを実感してきました。 当社の経営改革では、「研修」「プロジェクト」「しくみ制度」の三本柱をセットで進めています。 この点も当社の取り組みの独自性ではないかと思っています。

 このような思いで250人の仲間たちと毎日取り組んでいますが、目標の実現までにはまだ相当の距離があると感じています。 ただ、この道のりは苦難ではなく、明るく楽しい道のりだとみんなが感じています。

 今回、日本経営品質賞をいただいたことは、進めていく力がついてきたという後押しをしていただいたと理解しています。 ここまで導き教えていただいた方々に、心から感謝を申しあげます。 そしてこれから本番の旅に向かいたいと思います。

代表取締役社長 駒月 純

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